花籠文 (はなかごもん)

竹で編んだ籠に花を摘み入れたり、盛り込んだりした意匠ですが、単に花の美しさを表現した文様ではなく、古代中国から伝わるいわれがあります。

八仙人の一人・韓湘子(かんしょうし)は、破衣をまといながらも美しい花籠をいつも持ち歩いていたが、ある日、笙の音とともに鶴に乗って天空に飛び去ったという伝説があります。

この伝説から、花籠が美しい仙女を象徴するものとされ、画や陶器、蒔絵、そして小袖の文様にも使われていました。

現代でも古典的な意匠として晴れ着に取り入られているものが多いです。




【花籠】 はなかご

質素な手籠に秋草を入れた花籠。

花籠は籠の形状とどんな花が入っているかによって格と豪華さが異なってきます。

唐物籠に牡丹などはかなり豪華な意匠となります。

これは秋の野に遊ぶような、つつましい趣の花籠で、夏から秋口に広く応用できる文様となっています。



【花籠】 はなかご

手綱状に段々に染め分けており、花籠は細く糊で白上げして染め出されています。

また、細い線描と染め技法は繊細で、洗練された趣味性がうかがえます。



きもの文様事典

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