花筏文 (はないかだもん)

本来は桜花が水面に散るとき、寄り集まり一団となって、それ自体が筏状になっている様子を美しく「花筏」と呼びますが、文様としては筏に桜花や折り枝を配したものも呼び、後者のほうが多いです。

本来の意味と花の美しさから、花筏に配する花は圧倒的に桜が多いですが、発展して、筏に他の花を配したものも花筏というようになりました。

現代では、花筏文様が主題のきものや帯の場合は、その花が散る少し前の限られた時季が適しているといえます。




【萩花筏】 はぎはないかだ

筏は竹や木材を組んで、人や物を運んだり、筏自体を流して移動させたりと、森林の多い日本では古くから行われていた風習で、馴染みのある光景だったのでしょう。筏に花をのせる、日本人の風雅さをも表現しています。



【菊楓花筏】 きくかえではないかだ

ほどけそうになった筏二艇に、菊と紅葉がのる文様。

花筏に流水はつきもので、この文様では変わり観世水という形で流水を表現しています。



きもの文様事典

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